1. Hour of Code について
Hour of Code は、世界中の 180 ヵ国以上で 1 億人以上が利用しているプログラミング学習サイトです。スモールステップで構成されているチュートリアルが500以上(!)あり、誰でも簡単に始めることができます。中には子どもたちに親しみやすいキャラクター等を起用しているものもあり、プログラミングをこれから始めてみたいという方におすすめです。K12(5歳から18歳)がメインターゲット。パソコンやタブレットなどを使って、自宅でも学校でも利用可能です。
Microsoft の創業者であるビル・ゲイツ氏、Facebook 創業者であるマーク・ザッカーバーグ氏なども Hour of Code の賛同者として有名で、アメリカの非営利団体・Code.org が年に1回のキャンペーンと併せて運営しています。Code.orgは子どもたちが教育の中心的な内容としてコンピュータサイエンスを学ぶ機会を提供することを目的に、政策提言や教員研修等も行っています。
2. 歴史
2013年、Code.org 創始者の Hadi と Ali Partovi がコンピュータサイエンスを普及させることを目的とした動画を広めたところから、Hour of Code は始まりました。はじめは15,000 ほどの学校が賛同し、声を上げました。
2017年にはテックカンパニーによる協力が加速し、 Microsoft が Minecraft を使った Hour of Code のチュートリアルを作成、Google はロゴをコンピュータサイエンスを学ぶチュートリアルに遷移するように変更、Amazon Web Services は Hour of Code のホストプラットフォームを提供。
Appleストアは Hour of Code ワークショップ会場となり、 Tim Cook が上海の聾学校でのワークショップに参加したり、 アクセンチュアがタイムズスクエアで Hour of Code の動画を流したりしました。世界中のNPO、自治体や政府機関にも支えられ、2017 年には5億人、2019年には9億人以上に体験されていると同団体が報告しています。
それ以来、Hour of Code は毎年、コンピュータサイエンス教育週間の間にキャンペーンとして開催されています。コンピュータサイエンス教育週間は、コンピュータのパイオニアAdmiral Grace Murray Hopperの誕生日(1906年12月9日)を記念して毎年開催されますもちろん、キャンペーン期間中のみならず、1年を通してHour of Codeを開催することは可能です。
質の良いコンピュータサイエンス教育が、ラッキーな一部の人たちだけでなく、すべての子どもたちに行き渡るようにとの Code.org の思いが着実に毎年実現されています。
3. 特徴
- コンテンツが豊富
プログラミングの基礎に触れるものから、アプリ開発体験やハードウェアを使ったアクティビティまでさまざま掲載されています。中にはテキストを交えたり、アンプラグドで楽しめるコンテンツもありますが、チュートリアルの多くがブロックコーディングの教材です。学校やご自宅など、学習環境に合わせて、またお子さんの興味や経験に合わせて、取り組む内容を選んでいただけます。 - 人気のキャラクターがたくさん使われている! ディズニーやマインクラフトなどのキャラクターをはじめ、Dance Partyの中ではKaty Perry など有名アーティストの楽曲も提供されています。
- スモールステップで進めていく
どのチュートリアルも、基本的には操作方法になれるための簡単なステージから始まって、だんだんとプログラミングやコンピュータサイエンスの考え方に慣れ親しんでいけるような構成になっています。私たちの生活(あるいはキャラクターのストーリ設定)が紐づくような動画等が織り込まれていたり、ブロックプログラミングで作ったコードもテキストで確認することができたりと、学びを継続するしくみが散りばめられています。
4. 利用方法
- 提供されているコンテンツは端末・OS・ブラウザを問わずにご利用いただけます。(アンプラグドの場合はデバイスは必要ありません。)
- インターネット環境を用意してください。(オフライン版は一部の言語で利用可能です。)
- ブラウザで [Hour of Code](https://hourofcode.com/us/ja/how-to) にアクセスします
- 好きなチュートリアルを選んではじめます。
※ イベントなどで利用する場合は、あらかじめどんなコンテンツがあるか目を通しておくことをお勧めします。
おすすめチュートリアル
- 初めてのコンピュータープログラムを書く
Angry birdと一緒に、緑のブタさんをやっつけることでプログラミングの考え方に触れることができます。
- アナとエルサとコードを書く
きれいな氷の結晶を描くプログラムを書いて、プログラミングとアート・数学の関わりについても体験することができます。
- ダンスパーティ
音楽に合わせて、キャラクターのダンスを自由にプログラムしてみましょう! 踊り出しちゃうこと間違いなしです。
- フラッピーゲームをつくる
簡単なゲームを、自分が考えたルールで1から作ってみることができます。クラスや友だちと作品を交換して遊んでみるのもオススメです!
- AI for oceans 海を綺麗にするために、AIを学習させます。AIのしくみや扱う際に大事な倫理について触れられます。
5. 参考情報
公式ドキュメント
関連ドキュメント
- 日本国内のキャンペーン情報Facebookページ
- 小学校を中心としたプログラミング教育ポータル
- Hour of Code 虎の巻
Tera school が作成したオリジナルの解説集です。各問題について、子どもたちへの接し方や声かけのヒントを記載しています。ここに書かれていることが絶対ではありませんが、実際に子どもたちをサポートする中で参考にしてください。また、前提として、サポートする人が同じ問題を解いた経験を持っていることが非常に重要です。
「登場する主な概念」には、そのステージの問題を解く上で重要になる、プログラミングに関する基礎的な概念を挙げています。新しい概念が登場した問題には、Hour of Code のブロックの画像の下にコードの画像も載せています。
6. よくあるご質問
Q. どうすればHour of Codeの運動に参加できますか?
A. 翻訳しきれていませんが、HowToガイドを参考にして、計画をしてみましょう。申請等は必要なく、誰でも開催することができます。開催についてはぜひSNS等で発信もしてみてください。
Q. 参加者の人数分のコンピュータが必要ですか?
A. 必ずしも一人1台のPCが必要というわけではありません。1台のPCをペアで使って作業することも、ある研究によると最もよく学習できると言われている方法です。Web接続されたコンピュータをプロジェクターやスクリーンに投影して、グループ全員で一緒に Hour of Code を行うこともできます。デバイスを全く必要としないチュートリアルもありますので、ご参考ください。
Q. Hour of Code のロゴや名前の使い方に、何か制限はありますか?
A. Hour of Codeは商標登録されています。ご利用にあたっては、ガイドラインをご覧ください。
Q. アカウントを取得してログインする必要はありますか?
A. Hour of Codeを試すためのサインアップやログインは一切必要ありません。進捗状況を保存したり、学習を継続するためにはアカウントを作成する必要があります。
Q. どれくらいのことを、1時間で学ぶことができますか?
A. コンピュータサイエンスでは「こんなことができるんだ」と実感することや、コンピュータサイエンスが楽しく創造的なものであること、あらゆる年齢層の子どもたちにとって、そのバックグラウンドに関係なく必要なものだと理解するには、1時間で十分です。
Hour of Codeの目的は、1時間でコンピュータサイエンスのエキスパートになることではありません。性別や民族、社会的・経済的背景を超えてコンピュータサイエンスの世界に触れる子どもたちを増やすこと、また先生たちに「コンピュータサイエンスを教えられる」という自信を届けることで成功を定義しています。
7. スタッフからのコメント
世界のコンピュータサイエンス教育を牽引するNPOが、世界中のパートナーと共に、教育学的な知見と次世代へのビジョンを持って提供しているコンテンツです。とっつきやすいチュートリアルですが、プログラミング初心者であれば、大人でもつまづいたりムキになれたりもします。1時間のワークショップの後半では、子どもたちの中には2つ目のチュートリアルに取り組んでみたり、子どもたち同士で教え合う姿が見られたりと、楽しみながらこれからに必要な考えを子どもたち自信が吸収していくのをサポートしてくれる優れた教材です。